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2017年03月13日

前方を偵察した


 
アテスカはダーシヴァ軍と象たちを迎え撃つのに、海岸近くにとどまらなけりゃならなかったんだ」
「ウルヴォンを見たのか?」ベルガラスがたずねた。
 ベルディンはしわがれたいやらしい笑い声をたてた。「ああ、見た。いまじゃ完全にくるってるぜ。二十四人の兵士に王座をかつがせて、てめえの神性を誇示するために愚にもつかん小細工を
している。あのようすじゃ意志の力を集中させて花をしぼませるのだってむずかしい」
「ナハズは一緒か?」
 ベルディンはうなずいた。「ウルヴォンのすぐよこで、耳元でなにごとかささやいてやがる。オモチャをしっかりつかんでおく必要があるんだろうよ。ウルヴォンがまちがった命令をだしはじ
めたら、軍はあの山の中で三十年ばかしさまようはめになりかねないからな」
 ベルガラスは腑におちないようだった。「どうもおかしい。わしらが得た情報はどれをとっても、ナハズとモージャが互いのことにかかりっきりになる可能性を示していたんだがな」
「ことによると、もう終わったのかもしれないぜ」ベルディンは肩をすくめた。「そしてモージャが破れたのかもしれない」
「納得がいかんな。あの種のことはすさまじnuskin 香港い物音をひきおこすものだし、わしらにも聞こえたはずだ」
「悪魔がなにかをする理由がだれにわかるってんだ?」ベルディンはしかめっつらをして、べとついた頭をかいた。「事実を見すえようぜ、ベルガラス。ザンドラマスは自分がケルへ行かなけり
ゃならないことを知っている。ナハズもしかり。これは競争になると思うね。おれたちはみんな最初にシラディスのところへたどりつこうとしてるんだ」
「なにかを見落としているような気がする」ベルガラスは言った。「なにか重要なことをだ」
「考えるんだな。思い出すまで二ヵ月かかるかもしれんが、考えるこった」
 ベルガラスはその言いぐさを無視した。
 夜がふけるにつれて、煙と灰のぶあついとばりはおさまってきたが、頭上にたれこめる深い闇に変化はなかった。ダーシヴァはあいかわらず枯木とキノコとよどんだ水の土地だった。その三つ
めの特徴が、しだいに厄介な問題になりはじめた。マガン川の岸のマロリー軍の野営地から運んできた水が、とっくの昔になくなっていたのだ。日が落ちると、みんなは道を進みつづけ、ベルガ
ラスとガリオンはふたたび狼に変身して。新鮮な水を捜すことについては、今回はそれほど手間どらなかった。二匹の鋭い嗅覚は腐った水たまりをやすやすとかぎあて、かれらは
歩調をゆるめることなく水たまりのそばを通過した。
 ガリオンがもう一匹の狼に出くわしたのは、枯木の森にいたときだった。その雌狼は泥だらけでやせさらばえており、左の前足を痛そうにひきずっていた。彼楊婉儀幼稚園 拖數女は用心深くガリオンを見て、威
嚇するように歯をむきだした。
 ガリオンは攻撃する意図がないことを示すために、腹ばいになった。
「ここでなにをしているの?」雌狼は狼の言葉でたずねた。
「あっちこっちさまよっているんだ」ガリオンはていねいに答えた。「きみの森で獲物をつかまえるつもりはない。飲める水を捜しているだけだ」
「きれいな水ならあの小高い場所の反対側の地面からわきだしているわ」雌狼は森のさらに奥に  


Posted by exlovea at 13:19Comments(0)